第2章 柱〈前〉
「まぁまぁ巫女様!折角会えたのです。少しお話ししませんか?」
「っ遠慮するわ。邪魔よ!」
私が何処かに行くのを許さないと言う様に探しに行きたいのに彼の護衛が邪魔してくるのが歯痒くて堪らない。きっとこいつは私の異能目当てで寄ってきたんだろう。前々から手を握ってきたり肩を寄せて来たりとセクハ…スキンシップが多かったから。
くそ…なんでこんな時に限って人が通らないんだ…正午なんだから人が来ても良いはず…!周りを見ても人っ子一人通りやしない。封鎖なんかされてないんだからいてもいいの…に…?
「…まさか、封鎖!?」
「さすが巫女様、よく分かっていらっしゃる!」
サァ、と顔が青くなっていった。こいつ、こいつっ大通りを丸々封鎖しやがった。金持ちの考える事が分からない。異能のためだけにここまでするか。男がニヤニヤとした顔で手を添えてくる。
「せっかく村からここまで来たのです。私の家で少しお話ししませんか…?」
「誰がそんな事…わぁっ!?」
なんだかいつもより気持ち悪い手を引っ込めようとしたのに逆に引っ張られて立ち上がる。
「さぁ!私の家に…あれ、巫女様、背は…」
「な…」
今私が履いているのは耀哉さんから頂いた草履だ。いつもの仕掛けがしてある靴ではない。
「あぁ…どんな異能を使ったか知りませんが、あなたを見下ろせるなんて…これは愛らしいですね…」
「や、離して、離しな、さい!」
「暴れないでください、巫女様。あんな村にいても閉じ込められるだけでしょう?」
「やめ、て…!」
男の手が泥の様に腰を這う。いつもこんなことにはならないのに…見張りがどうして存在してるのか分かったかも知れない。必死の抵抗も虚しくずるずると車へ近寄って行く。
助けて
いや
やめて
気持ち悪い
助けて
離して
怖い
助けて
痛い
助けて
触らないで
助けて
助けて。
「わりぃな、そいつは俺らのなんだ。」