第2章 柱〈前〉
「うん、そこについても考えているよ。緋縁には蜜璃と天元が付いてて欲しいんだ。」
「「え?」」
「俺たちが、ですか。」
私と蜜璃さんが声を上げる。宇髄も驚いていた。
「天元は責任を持つと言っただろう?でも天元は男だからね。しのぶは蝶屋敷を管理しなければならない。だから蜜璃。と言う事で三人で行動して欲しいんだ。頼んでもいいかな?」
「う、承りました!」
「御意」
ありがとう、と微笑む耀哉さん。お泊まりの順番を決めてから会議はお開きとなった。
「今は正午だから…明日からにするといい。お金を渡すから、今日のうちに必要なものを買っておくんだよ。蜜璃、付き合ってあげておくれ。」
「分かりました!」
「あ、りがとうございます…」
これ…大金だろうか。お金の感覚が分からない。蜜璃さんも宇髄も平然としてるあたり、多いことはない…のかな?
「蜜璃さん、折角のお休みなのにすみません…」
「蜜璃でいいわよ緋縁ちゃん!気にしないで!一緒にお買い物楽しみね!」
「…はい、よろしくお願いします!蜜璃…ちゃん。」
目隠しをして蜜璃ちゃんに背負われ屋敷を出る。ちなみに今回は大人しく目隠しをした。
「はいどうぞ!緋縁ちゃん!」
「ありがとう、蜜璃。」
町の近くで蜜璃ちゃんに降ろしてもらった。やっぱりお館様のそばじゃないと『巫女』口調は抜けないな…
「きゃあ、その喋り方の時は「蜜璃」って呼んでくれるのね!可愛い!」
「はいはい早く街に行くわよ!買うものいっぱいあるんだから!」
「誤魔化した!可愛い!」
まって。なんかきゅん!って聞こえた。発信源は間違いなく蜜璃ちゃんで。…あーもう調子が狂う!
私と蜜璃ちゃんと壁は歩き出す。街に行ったら何を買おう、とりあえずこの巫女さんみたいな格好は浮くし、まず着物かな。それから櫛とか髪紐とか生活に必要なものを…
壁?
「っうず!?」
「何だよ。」
吃驚した!この上なく吃驚した!!なんでいるの宇髄!こんなに体大きいのにいない同然に気配消せるとか反則だろ!
「お館様に俺も行けって言われてな。俺も今日は任務無いし」
「それならついて来るって言いなさいな!」
未だバクバクとなる心臓を押さえながら蜜璃ちゃんの方へ体を寄せる。また蜜璃ちゃんからきゅん!って音がした気がするけど、もうこの際無視することにする。