第1章 理想のペアVSはるか博士の発明品
「やめて下さい」
齋藤コーチサイドのチェストプレスまで彼のシャツを上に引っ張り始めたのです。
そんな暴走したチェストプレスのイタズラに抵抗する彼らを見て、丸井は焦った表情になり、
「やべ、今のでどこまで文章に目を通したか、わからなくなっちまった。あ、大丈夫、ここからだ。指で文をおさえとこう」
「しかし、このままだとあの2人、危ないですねぇ」
「危ないって、スッパダカにされることか?」
「あっさり言いますねぇ、あなた」
「大丈夫、オレたちがそうはさせねえから」
「………」
木手は取扱説明書の文章に再び目を通し出した丸井の横顔を横目で見ながら見守っていました。すると、丸井がぱあっと明るい表情で木手の方を向いたため、木手は丸井に一瞬驚きます。
「キテレツ、齋藤コーチと徳川先輩を助ける方法がわかったぜぃ」
「何が書いてあったのですか?」
「それをこれから試してみるところだろい。この文章のところ」
丸井は取扱説明書を木手に渡し、木手も目を通したところ納得し、理想のペアは行動に出たのでした。
まず、丸井は齋藤コーチサイドのチェストプレスAに向かってここまでおいでと煽ります。