第1章 理想のペアVSはるか博士の発明品
「このマシーンの取扱説明書がそこの段ボール…ハハハハ箱の中に……ハハハハ入っています……ハハハハはい……」
あまりのくすぐったさで齋藤コーチは涙まで出てしまいます。
「………」
徳川の方は笑いをこらえるのに必死です。
「わかった、取扱説明書だな。それを読んでどうにかしろってことか」
と、丸井が言ったあと、
「取扱説明書でどうにかなるとは思えませんがねぇ。一応は見ておきましょうか」
木手は段ボール箱からチェストプレスの取扱説明書を取り出し、文章に目を通します。
「どうだ? 何かあのマシーンを止めるヒントみたいなの書いてあったかぁ?」
「……だんだん、目がチカチカしてきました。こういった長い文章に目を通すの、あなたの方が得意でしょう。読んでみなさい」
「確かに普段、本とか読むけど取扱説明書みたいな文はどうかな。まあ、目を通せないわけでもねえけど」
木手からマシーンの取扱説明書を受け取った丸井は文章によく目を通し、暴走気味のチェストプレスを止める方法がないか探していました。
「おい、何をする……!」
徳川サイドのチェストプレスがくすぐるのをやめたかと思いきや、シャツを上に引っ張り始めます。