第1章 理想のペアVSはるか博士の発明品
「さ、齋藤コーチ、徳川先輩!?」
やっと、丸井は口を開き、
「一体、どうしましたか……」
頬に汗が流れる木手です。
「それはこちらがコーチにたずねたい。なぜ、新しく購入したばかりのマシーンにオレたちが捕らわれなくてはならないのか。しかも……」
「……僕たちのことをこのマシーン、くすぐり始めています」
齋藤コーチと徳川を捕らえているチェストプレスが2人をくすぐり、イタズラを始め出します。
「すぐ助けます」
丸井がラケットをかまえ、
「やれやれ、サーキットトレーニングが早めに終わって自主トレが出来ると思ったらこれですか」
木手もラケットをかまえました。
「ちょ、ちょっと待って下さい、はい。ハハハハ」
齋藤コーチはマシーンにくすぐられ、とうとう笑いをこらえるのに限界がきてしまったようです。
「2人とも、サーブをするつもりならよせ。もし、はずれたら、オレたちに当たる…………」
徳川の方は身体はくすぐったさで震えているものの何とか冷静な表情のまま笑いをこらえていました。
「そっかぁ……」
「サーブの他にどうしろと言うのですか」