第1章 理想のペアVSはるか博士の発明品
「わー!」
彼がチェストプレスの左右のグリップを握った瞬間突然、マシーンの後ろからグローブの手のような白いものが2つ現れ、齋藤コーチを捕らえたのです。
そのとき、ちょうど誰かトレーニングルームに入ってきます。1番コートの高校生の徳川カズヤでした。
「徳川くん、助けて下さい」
「齋藤コーチ!?」
チェストプレスに捕らわれている齋藤コーチの姿をすぐに見つけた徳川はすぐに彼を助けに行きました。
「いやー、ネットショップで新しく購入したばかりのマシーンだったのですが、不良品でして、はい。それでこの通り……」
「……くそ、この両手のグローブのようなものが、はがせなくて厄介ですね。ん!?」
徳川が齋藤コーチの救助中に何と、もう1台のチェストプレスが自動的に動き出し、徳川を捕らえたのです。それも、齋藤コーチと同じ捕らわれ方でした。
「そんな、徳川くんまで……」
「しまった……」
「動けませんね、はい……」
彼らが捕らわれて間もなく、談笑しながら理想のペアがトレーニングルームに入り、2台それぞれのチェストプレスに捕らわれている齋藤コーチと徳川の姿に絶句します。