第1章 理想のペアVSはるか博士の発明品
木手が打ち返し、チェストプレスAが打ち返すとき、こう言ってきます。
「コチラガカッタラ、ソコノアカイカミノコ、ワタシトオツキアイシテクダサイ」
「え、早口でまったく聞き取れなかった」
そう言いながら、丸井が決め、15ー0(フィフティーンラブ)です。
「知らない方がいいですよぉ」
「へ?」
「何でもありません。それより、前を向いてないとサーブ来ますよぉ」
「おっと」
丸井はチェストプレスBのサーブの球を避けました。木手が打ち返し、チェストプレスAが打ち返す番になると、またこう言ってきます。
「アカイカミノコ、コチラガカッタラ、ワタシトオンセンノナカニハイッテモラオウカナ♪」
「オレに何か言っているのはわかるが、肝心の内容が早口で聞き取れねぇ」
丸井は打ち返すとき、力が入りすぎてしまい、アウトコースに行きそうになりましたが幸い、チェストプレスBが打ち返してくれます。そこを木手が飯匙倩(ハブ)を決め、30ー0(サーティーラブ)と点が入りました。
「オ~マエラ、マ~ケタラ、オナカダシナと言ったんじゃないですか」
木手がまた先ほど、チェストプレスAが言っていたこととちがうウソの言葉を丸井に言います。