第1章 理想のペアVSはるか博士の発明品
「ドウシタ?」
チェストプレスBが尋ねます。
「ワカラナイ。アカイカミノコヲミテイルト、ムネガクルシイ。ドキドキスル」
「!?」
チェストプレスAの言葉が聞こえていた木手が吹きました。
「キテレツ、あいつ、何て言ってた?」
「いえ、またパンツイッチョウと言っているなと」
丸井に聞かれ、ウソを答えていた木手でした。
「おい、それ、やめろーい……」
木手のウソの返事を信じ、チェストプレスAに苦笑していた丸井です。
チェストプレスAは丸井に見つめられていると勘違いしたか、少年と目が合うとモジモジした仕草になります。木手は見なかったことにしていましたが、チェストプレスBはそうはいきません。
「オマエ、マサカ、アカイカミノコノコトヲ……」
「アア、ホレタ」
「………」
木手は吹きそうになるのを必死にこらえていました。
「おーい、次はお前のサーブだろー。早く打てよーい」
何も聞いていなかった丸井はチェストプレスBに声を掛けます。
「ム、ソウダナ」
今は試合中だとチェストプレスAのことは放っておくことにし、チェストプレスBはすぐにサーブを打ちました。