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津軽高臣 【恋人は公安刑事】手のひらの虹 ※書き直し版※

第1章 デートの約束(主人公side)


後藤さんから預かったファイルを持って、公安課の資料室に着いたわたしは、まず、後藤さんから預かったファイルを所定の位置に戻した。


津軽さんと百瀬さんが、今追ってる事件については、わたしは一切関わってない。


(津軽さんは、今頃どこにいて、何をしてるんだろう?)


忙しいのは、分かっている。そして、それが明日のデートの為だという事も分かっている。


「そんなところで、おマヌケな顔して何してるの?」


突然声をかけられて、声の方を見ると、東雲さんも資料室にいた事に気付いた。


「あ!いえ、事件について考えてまして.....」


わたしがあたふたと答えると、東雲さんが言った。


「ふーん。まあいいけどね。ついでにこれも片付けといて」


東雲さんは、わたしにどっさりとファイルを渡すと


「じゃ、よろしく〜」


と言って資料室を出て行こうとして、振り返って言った。


「あ、瑠璃子ちゃん、津軽さん、今日遅くなると思うよ」


!!!


「そ、そうなんですね」


「うん、さっき公安課に戻ってまたすぐ出て行ったから」


「はい..」


「明日、行けるといいね」



!!!!



「夕日ヶ浦の公園」



!!!!



(な、なんで、東雲さんがデート知ってるの〜〜〜ー!!)



わたしが、真っ赤になって即答出来ないでいると、東雲さんが言った。


「見てたよね?瑠璃子ちゃん、スマホで夕日ヶ浦の公園のサイト」


(かっ、カマかけられた〜〜〜〜!!!絶対、今のは、カマかけられたんだ!!)



わたしが、気付いた時には、女子力半端ないサラサラのキノコヘアーの東雲さんは、資料室から出て行った後だった。



わたしは、黒澤さんから、始まった怒涛の公安刑事の誘導尋問にどうやら、まんまと引っかかったようだった。



(もう〜〜〜〜!!!)



わたしは、どう答えれば、良かったのか、全く分からず、公安学校時代の教官達の目が節穴ではない事に改めて恐れを感じられずには、いられないのだった。


(こわいって〜〜!)
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