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永遠の恋〜⁂番外編⁂【イケメン戦国】

第37章 貴方の傍で


そういうわけで早くも翌日の昼過ぎには、私は三成くんと城下へ来ていた。

「わぁ!すごく賑わってるね」

城に向かって真っ直ぐに伸びる大通りは行き交う人々で溢れ返っており、通り沿いの店々からは活気の良い呼び込みの声が上がっていた。
特別な市が開かれているわけでもないというのに、大した賑わいである。

「これは石田様、いつも御贔屓にありがとうございます!」

「ご店主、お邪魔いたします。新しく入った書物などがありましたら見せていただけますか?」

「丁度良いところへお越し下さいました。数日前に堺からの仕入れがあったばかりでして、珍しいものが色々と入っておりますよ。さぁさぁ、奥へどうぞ」

三成くんと訪れた書物屋の主人は愛想の良い人で、私達はすぐに店の奥へと通される。

(立派なお店だな。店構えも大きくて、扱う書物の類も豊富だし、さすがは三成くんお薦めのお店って感じ)

広い店内には所狭しと書物が置かれていたが、雑然とすることもなくきちんと整理されていて、一つ一つが丁寧に扱われているのが見て取れる。それだけでこの店が良い店なのが窺えた。

「姫様もお求めのものがありましたら何なりと仰って下さいね。お探しいたしますので」

三成くんに戦術書を薦めていた店主は、並べられた書物を興味津々で手に取って見ていた私にも声を掛けてくれる。

「ありがとうございます」

(今日は特に目当てのものがあったわけじゃないけど、こうして色々眺めてるだけでも楽しいな。時間を忘れて見入ってしまいそう)

絵巻物や物語などのいわゆる女子が好むと言われるものは元々好きだったのだが、安土へ来てからは信長様や武将達からの影響もあって、それまで関心のなかった様々な分野へも興味を持つようになった。
今の生活は、小田原にいた頃には知る由もなかった新しい知識、珍しいものに触れる機会に満ちている。

信長様と出逢ったことで私の世界は大きく広がった。

(信長様と出逢って恋仲になって…新しく知ることが増えた。毎日が新鮮で楽しくて…こんな風に変わるなんて思わなかったな)


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