第33章 ハッピーイースター〜春待ちて
(この俺が、女子に求められたいなどと腑抜けたことを言うようになるとはな)
「朱里、言え。どうして欲しい?」
促すように指先で唇にそっと触れる。
熟した桃のように柔らかな唇の感触が心地良く、ふにふにと触れ続けていると、少し開いた唇の隙間から擽ったそうな吐息が漏れる。
「ふっ、あっ…」
朱里の悩ましげな声ととろんっと蕩けた表情に信長の理性は脆くも崩れ出し、無自覚にも腰を揺らしてしまう。
ーぐちゅっ…ごりゅっ…
「くっ…」
「やっ…あんっ…」
(あぁ…信長さまのが擦れて…んんっ)
「朱里っ…」
(もはやどちらが焦らしているのか分からなくなってきたな。俺の我慢もそろそろ限界か…)
朱里のナカに埋まったままの魔羅は信長の心中ほど穏やかではなく、先程から意思に反してピクピクと小刻みに震えている。
朱里の蜜壺は暖かく柔らかで、信長の魔羅をねっとりと包み込みながら規則的にきゅうきゅうと締め付けてくる。
挿入れているだけでそんな状態なので、少し激しめに動けば呆気なく出てしまいそうな危うい状況だったのだ。
朱里に己を求めさせたくて散々焦らしておきながら、じわじわと余裕がなくなっていたのは寧ろ己の方なのかも知れなかった。
堪え切れなくなった信長は緩々と腰を浅く前後させながら、時折深く引いては奥まで押し付ける動きを繰り返し始める。
その度にグチュグチュと酷い水音が立ち、繋がった部分から溢れ出た蜜が空気を含んで泡立ち、ぱちゅぱちゅっという破裂音が湯殿の中に響く。
「ひっ、うっ…あっ、奥っ、あっ…」
奥に当たってはすぐに引いていく動きがもどかしくて堪らない。
(んっ…もっと…激しく…突いて欲し…い。壊れるぐらい激しく…もっといっぱい…奥まで…欲しい)
心の中は淫らな欲求でいっぱいだったが、自分からねだるのはやはり気恥ずかしくて口にするのは憚られた。
(信長様は素直に言えと仰るけど…やっぱりおねだりなんて恥ずかしい)
それでも自制をかける心とは裏腹に身体の方は快楽に正直で、引いていく動きを追いかけるように自分から腰を揺らしてしまうのだった。
「くつ…朱里っ、貴様…」
(もう抑えられんっ…)