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永遠の恋〜⁂番外編⁂【イケメン戦国】

第33章 ハッピーイースター〜春待ちて


そうして準備は進み、いよいよ今日はイースター当日

「ただいまより『イースターエッグハント』を始める!」

秀吉さんの掛け声で、大広間に集まった皆は一斉に卵探しを始める。
今日は日頃学問所で学んでいる子供達も参加して、大広間と庭を使って子供達と武将達とで卵探しの遊びをし、その後は皆で食事会をする予定なのだった。

「はは、こっち!」

「わっ…待って吉法師、走ると危ないよ」

始まりの合図とともに駆け出した吉法師を慌てて追いかける。
大広間の中にも卵は隠されているはずだが、外遊びが大好きな吉法師は庭へ出たくて仕方がないらしく、広間の中には見向きもせず、一直線に庭へと駆け出したのだった。

(っ…やんちゃな吉法師からは目が離せない。結華は…一人でも大丈夫そうだな)

結華は姫らしく落ち着いた様子で顔見知りの学問所の子供達に声を掛けて広間の中で卵探しを始めていた。

「おぅ、朱里、お前も早く探さねぇとなくなっちまうぞ?」

「政宗!ふふ…卵を隠してくれたのは政宗なんだよね?」

政宗はこの後の食事会の準備と卵を隠す役割を担ってくれていたので、卵探しには不参加なのだった。

「ああ、沢山あるから張り切って探してくれよ。意外と難しいぞ。特に信長様のやつは…見つからない自信がある」

「ええっ…何それ?」

自信たっぷりに不敵な笑みを浮かべる政宗を見て少々不安になる。
信長様の作られた木瓜紋入りの卵は卵探しの一番の目玉となっていて、信長様から直々にご褒美が貰えるとあって大人も子供も大いに張り切っているのだ。

「ほぅ、それは聞き捨てならないな。御館様の左腕としては一番手柄は外せないが」

「光秀さん!っ…それ、もう見つけたんですか?いつの間に…」

鮮やかな緑色の卵を手の内で弄びながら、光秀さんはニヤリと不敵な笑みを浮かべる。

「おや、存外簡単に見つかったぞ?」

「おい、光秀。少しは手加減しろよ?子供向けに簡単にしてるところもあるんだからな。空気を読め」

光秀さんの後ろでは苦々しげな顔をした秀吉さんが周りを見回しながら腕組みをして立っていた。

「俺ほど空気を読める男はいないと思うが。お前こそ、早く探した方がいいんじゃないか?御館様からの直々の褒美、右腕たるお前が逃すわけにはいかないだろう?」

「当たり前だ!それは譲れん」

(秀吉さん、すごい気合い入ってる!)


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