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永遠の恋〜⁂番外編⁂【イケメン戦国】

第17章 小さな恋人②


「お、御館様っ…これは一体どういう…そ、その子供は…??」

目覚められたばかりであろうか…乱れた褥の上で幼女を抱く主君を見てしまい、秀吉は激しく動揺していた。

(っ…誰だ、この子供は…この状況は…よもや御館様に限ってそんなふしだらな趣味が?……いやいやいや、そんなはずはない…ありえん。だが、だとしたらこの子供は…まさか御館様の隠し子??いやいや、それも…ありえん…か?)

城の内外の女達から慕われており、夜伽の相手にも事欠かない信長のこと、隠し子の一人や二人いてもおかしくはない……


「………秀吉、貴様、ふざけたことを考えるのも大概にしろ」

怒気の籠った冷ややかな声に、秀吉は慌てて我に帰る。

「な、何のことですか?それより、これは一体どういう状況なんですか?ご説明願います!」

「……………朱里だ」

「……………へ?」

「だ、か、ら…こやつは朱里だ。起きたら、こんな姿になっておった。原因は分からん…今のところはな」

「は?え?い、今なんと?朱里…ですと?こ、この子供が…?」

信長の身体に小さな腕を回し、ぎゅうっと抱き着く幼女の背中を、信じられない思いでまじまじと見つめる。

(朱里!?朱里が子供になった、だと?何の冗談だよ…まさか俺を揶揄って遊んでおられるのか…大の大人がこんな子供の姿になっちまったなんて、冗談にしてはタチが悪いぞ…)

「御館様っ、俺を揶揄うのはやめて下さいっ!」

「阿呆、冗談ではない。よく見ろ」

チッと軽く舌打ちした信長は、自身に抱き着く幼女の身体を離し、秀吉の目の前に立たせた。

「やっ…やだぁ…のぶながさまっ…」

今にも泣き出しそうな不安な表情でイヤイヤと嫌がる素振りを見せる幼女の顔を間近で見た秀吉は、その幼い顔立ちの中に、大事な妹分の面影があるのを見て頭がひどく混乱する。

(朱里!?っ…嘘だろ…ええっ…本当に朱里なのか?何が…どうなってる??)


「……ええっと…朱里…なのか?」

「…………ひでよしさん…」

堪えきれないように、潤んだ瞳からポロッと涙が零れ落ちる。

「うわぁ!?な、泣くな…泣くな、朱里。ご、ごめんな、俺が悪かった…こ、怖くない、怖くないぞ…お、御館様っ…」

「おい秀吉、貴様、朱里を泣かせるとは…覚悟はできているのだろうな?」

「え、ええっ…そんなっ…」


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