第14章 朝までずっと
「っ…ンッ…ダメです、信長様っ…いつ人が来るか分からないのに…」
「まだ大丈夫だと言っておろうに、俺の言うことが聞けぬとは…いい度胸だな」
ーぬちゅっ くちゅくちゅ…
「んんんっ…やっ、指、挿れちゃ…やだぁ…」
「なんだ、まだこんなに泥濘んでいるではないか。くくっ…まだ足りぬのか?欲張りな奴め…」
「ち、違っ…あぅ…も、掻き混ぜないで…」
身体中に絶頂の余韻が残っているらしく、蜜壺に埋められた指がナカをゆっくりと掻き混ぜるだけで、ひどく身体が疼く。
拒絶の言葉とは裏腹に身体は愛しい人を求めてやまない。
(もっと欲しい。信長様が欲しい。貴方で私をいっぱいにして…)
脳内が淫らな思考に侵されて、信長様の為されるがまま、再び全てを委ねかけたその時…………
「御館様ぁーっ、どこにいらっしゃるのですかっ?返事をして下さいませっ……御館様ぁーっ!」
ドタドタと乱雑な足音とともに聞こえてくるのは、秀吉さんの必死の訴えだった。
(秀吉さんっ…信長様を探してるんだ!)
「信長様っ…秀吉さんが…」
「チッ、猿め、気づきおったか。大方、いつものように天主に迎えに行ったら、もぬけの殻で慌てているのだろう」
「ということは、もう朝なんですねっ?大変っ…早く着替えないと秀吉さんに見つかっちゃいますよ!?」
こんな格好、見られたら恥ずかし過ぎる。
秀吉さんは、ここの鍵を持っているのだ。
いつ入り口が開いて、入って来るとも限らないのだから…一刻も早く着替えなくては!
「信長様っ、早くして下さい!」
「早く…イかせろ、と?」
ーぐちゅうぅ…
「あぅ…ち、違いますぅ…指っ、早く抜いて…」
一段と深く突き挿れられた指が、ナカの敏感なところをトントンと刺激し始めて身体がゾクリと震える。
腕の中から逃れようと身を捩っていた力も、思わず抜けてしまうほどに気持ちよかった。
「御館様ーっ、くそ、どこに行かれたんだ?城中探しても見当たらないなんて…こんな朝早くから城内にいらっしゃらないなんて初めてだ。
朱里も部屋にいなかったし…まさか…二人でどこかへ??」
ぶつぶつと大きな声で独り言を言いながら徐々に近づいてくる足音に、もう気が気ではない。
(ダメダメっ…秀吉さん、来ないでっ!でも、鍵も開けて欲しいし…信長様は離れてくれないし…もう、どうしたらいいの!?)