第14章 朝までずっと
ズグッと最奥を抉るように突き上げた瞬間、朱里の身体がビクッと震えてナカがぎゅうっと収縮する。
膣内の襞が一気に吸い付いてくるような圧迫に、激しい吐精感を煽られて情けなくも腰が震えて止まらない。
「ぐっ…ゔっ、あ"あ"っ…出るっ!」
ードピュッ!ビュルッ…ビュルビュルッ…
全身を駆け巡る快感に頭の中が白み、身体が一瞬強張った後、弛緩すると同時に、限界まで膨張した一物から熱い白濁が迸る。
最後の一滴まで朱里のトロトロに蕩けた蜜壺に注ぐように、腰を強く押し付けながら、信長は絶頂の余韻に身を委ねた。
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(んっ…寒っ……)
肩口が冷んやりとした冷気に晒されて、ぶるりと肌が寒さに震える。
小さく丸まっていた身体を僅かに伸ばそうとして、朱里は自分が信長の腕の中に囚われていることに気付く。
寒いと思ったら、お互いに肌を晒したあられもない格好で抱き合いながら眠っていたようで、掛布がわりに掛けた着物が床に散らばっている。
欲望のまま交わった後のような何とも淫らな光景に、かあっと頬が羞恥に赤く染まる。
(やだ…あのまま眠っちゃったんだ。裸で…こんな…書庫でなんて…恥ずかしいっ…)
裸の身体が無性に恥ずかしくて、早く身支度を整えなくてはと、起き上がろうとした私は、グッと腕を引かれて虚しく倒れ込んだ。
「どこへ行く?」
「信長様っ…どこって…起きなくちゃ…こんな格好、誰かに見られたら…」
(書庫で裸で抱き合ってた、なんて家臣の方達に知られたりしたら信長様の威厳に関わるよっ…)
今が何刻か知らないが、いつ人が来るか分からないのだ。
兎にも角にも、最低限の身支度を整えておかなくては……
「慌てずともよい、まだ誰も来ぬだろう。もう少し、貴様を堪能させよ」
「あっ…んっ……」
横になったまま後ろから抱き締められ、耳朶を唇でパクリと喰まれる。
尖らせた舌先で耳の輪郭をなぞりながら、熱い吐息を直に注がれると、昨夜の熱が思い出されて身体の中心がじゅわりと緩む。
(あぁ…ダメっ…ナカ、まだトロトロなのに…)
あれから一体、どれぐらいの時間が経ったのだろう。
激しく抱かれて気を失うようにして達してから、どのぐらい眠っていたのか……まだ夜なのか、もう朝なのか、明かり取りの窓も障子もない書庫ではそれすら分からないのだった。