第33章 31.
ジェノスやタツマキを巻き込まないように、角度を調整はした。
大きな竜巻を投げつける。まるでウツボのように口を広げながらくねくねと手前から奥へ、横倒しになった竜巻が怪人をも巻き込んで食らっていく。
それでもサイコスは膜で対処して直撃は免れたようだけれど。
「……以前よりも威力が上がってないか?」
サイコスと髪の長い男以外を巻き込んで吹っ飛んでいく竜巻を見てジェノスが呟く。
『私だって強くなったんだよ、一応S級、だしね』
恋人までのランクの壁は近いようでまだまだ遠い。
遠ざかる竜巻、ついでに銃を取り出しこちらからケツを向けて去っていく竜巻に向けて、プラズマ弾を3発打ち込む。遠ざかる竜巻から悲鳴が上がった。