第77章 75.
「飯食ったら、婚姻届を書いて貰うんだが……証人、どうする?」
『証人…ジーナス博士とか?』
自分の人生に関係無いことだと思っていたのでそういうのは全く知らない。
同じくゾンビマンもちんぷんかんぷんで、指先に着いていたパンくずを皿の上に落としながら、紙切れを持って覗き込む。
「ジーナスは一人しか居ねぇだろ、証人ってのは2人必要なんだとさ」
『ふーん、…あっ周りの人に声掛けてみようよ。…成人、か…童帝くんや金属バットは証人にはならないのか…』
「戸籍ね……、俺は無いようなもんだと思うが、ヒーロー証明書でなんとかなるか、これ」
『認定書とかある?私、瓦礫の下なんだけど』
「マジか、協会に再発行してもらえ、俺も再発行してもらう」
『両者共に無くしてんじゃん…』
互いに笑い合って、話し合うのも楽しい。お互いにペンを握って名前を書いていく。差し込む光が私達のそれぞれの薬指に嵌められたリングを輝かせていた。
舌が乾く頃に飲む甘いコーヒーはとてもぬるくなって、この私達を現しているようで愛おしい。
私が書き終えたペンをゾンビマンは回収して2本のペンをしまいに立ち上がる。私も立ち上がって婚姻届をクリアファイルに挟む。
今日はジーナス博士…、父への挨拶と証人として記入して貰うから。
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