第27章 25.
『これ、止めなくても良いの?』
「……ああ、そうみたいだぜ?」
一度私を見たゾンビマンはクロビカリとアマイマスクを見る。
「超合金クロビカリ。キミは…自分の不甲斐なさに腹が立たないのか」
どんな顔でクロビカリに言っているのかは私達の位置からじゃ伺い知れない。
ただ、歯ぎしりがギリ、と風に乗せて聞こえた。
不甲斐なさ。私は知っている。私はその自分の不甲斐なさに悩んでいたからだ。それがあって成長できた、と思ったけれど今はこんなにもボロボロだ。
ゾンビマンを挟んだ先に居る、アトミック侍は小さく鼻で笑う。
「お前に言われちゃ…、」
その発言を止めるようにゾンビマンは手で制止した。
視線を近くの3人で揃ってクロビカリ達に戻す。
プリズナーがクロビカリに寄り添い、フォローを始める。
攻撃を受けてもノーダメージだと。負けても戦力は変わらない。自身はガロウにやられた、ガロウも怪人協会も健在であるからこそクロビカリが必要である、と。
「俺が戦うのは監獄で待つ彼氏達を守るためだ。クロちゃんにも守るべき人がいるだろう!」
「いや…特にそんな人は」
「いるさ!それはあなた…クロちゃん自身だ!
誰だって自分が可愛い!クロちゃんもずっと大切な自分を育て…守ってきた!俺にはできない立派な事だと思う!
だがこのままでいいのか?ここで引き退がったら一生"大切な自分"を失ったままだぞ?見なさい、自分の身体を、」