第24章 22.
ハルカだ。あいつの安否が知りたい。風神を取り入れ、俺の再生力も取り入れても、だ。
自らの短い運命ですらもヒーローという誰かを救う為の終わりを選び、そこから立て直した年下の恋人を想う。
死ぬことはない、ゆっくりと再生はする。ただ、俺は知っている。再生力で死をも克服する者の定めを。
死ぬほどの痛みからさえも逃げる事が出来ない。
人は、血を失いすぎると死ぬ。
人は、痛みがあまりにも強すぎると死ぬ。
重要臓器が負傷・無くなれば死ぬ。
その当たり前という生命の鎖から解放されている。
怪人たちは強く、わんさか湧き出てくる。かすり傷では済まないだろう。助けは来ないと知っていて、逃げずに立ち向かっていくんだ、あいつは。
ポワ…。
このホームレス野郎の能力とは違う、大きな光る玉。
「何もない空間にエネルギー球が発生した。中身は空洞のようだが…はて…?」
タツマキ…?まさか俺を助けようとしたのか…?球体の中の服の破片…
ポケットに童帝から支給された端末が入ってる。
「(あれで位置を特定して…、くそ…こんな事なら頭蓋骨の中にでも入れておくんだったぜ)」
けれど、まあ…それで助けてもらえるのならありがたい。
少しだけ安堵して、再生と目の前の敵に専念した。