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欠落の風雷暴

第21章 19.


入ってどれくらい経っただろうか?少しお腹が減ってきた。

クリーチャーの見た目の怪人、こいつら量産型じゃないの?って見た目の奴らを蹴散らしていた。怪人達の流行なのかもしれないな。
今の所は楽に倒せている。

あまり発信機が何かを受け取ったりするノイズも聞こえない。皆無事に進んでいるんだろうか?やられてはいないだろうか?と心配もする。
風神・雷神の統合版となった今の私にはまだ余裕があった。とは言え、人質がいるという事で風で情報収集をして攻撃をする、という手間がある。休んでいる余裕は無いでしょう。
ここには何もいません、と言われても不気味な廃屋で休めるわけがないように、このバカでかい空間に緊張をする。

徒歩で移動をしながら、通路を行く。ポンチョの内側、隠しポケットからひとつ博士手作りのレーションを取り出して齧る。
うん、ひたすらにたこ焼きの味がする。急ごしらえであった食材がたこ焼きだったから、レーションはたこ焼きなんだろうなぁ。いろんな具材入ってるし、丁度栄養価高いからって作ったんだろうなぁ。そんな事を考えなから、パッケージから取り出したレーションの残りを口の中に詰め込んだ。

ザ、ザザッ…。

発信機のノイズ。
袋のままだと音声が小さくなっているので、取り出して通信を聞く。

「……ちら童帝!ワガンマ君と共に地上班と合流した、救出作戦は成功した!繰り返す!救出作戦は成功!」

おお、目的である人質が救出されたようだ。
ヒュル。風を吹かすと生命反応。
まだ通信受け取ってる最中だし、食べてるんだけれどなぁ、と銃を構え、圧縮した風を打ち込もうと本体に充填し、前方へ向ける。

「待ちくたびれたじゃん、ヒーロー…」

通信中だ、雷神の能力ではなく、風神に絞ろう。
片手に銃、片手に発信機。

ドシュッ、ドシュッと打ち込む。物質的に金属で、あまり効果がない。

「こちらゾンビマン。童帝、よくやった」
「アマイマスクだ。人質の件了解した。怪人どもは大したこと無い。ボクは引き続き正義を執行する」
「童…くっちゃくっちゃこちらくっちゃくっちゃとくにくっちゃくっちゃ…常なし、ごっくん、今消化中」

「無視かよ?ヒーロー、俺が目に入らない訳じゃあるまい?」

通信を受け取っていれば、ズン、と重い音が近付いた。
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