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欠落の風雷暴

第18章 16.


博士は素早く、あのボロボロのポンチョに仕込んでいる。仕込む物は圧縮したたこ焼き……いや、あれは急速でブロック状にし、水分をある程度抜いてる…。これはたこ焼きをレーション化しているのか、と理解した。

私の再生力は生理的要求で補う。
生理的欲求を満たす方法は主に3つある。食欲・睡眠欲・性欲。気軽かつ効率的な方法が食欲だ。安全であれば睡眠欲、パートナーが居れば残りを取る。で、その食欲は食べ物が無くては始まらない。
という事で現地でも栄養摂取出来るように仕込んでいるらしい。親心というか、研究者としてのサポートというか。どっちにしてももう、私は博士をお父さんと呼んでしまったのであって。親としての心配からか、だろうな。

3パック目のチーズの入ったたこ焼きをあまりの旨さにかっこんでいると、仕込み終わった博士は私の今着ている服にも数本ねじ込む。

──これは見たことがある、ヒーロー前もヒーローとなった今もよくやられるやつだ。
おばさんとかよく、黒飴やゼリーともグミとも言えない小袋菓子をポケットに詰め込むやつだ。夏場の詰め込まれた黒飴が、開封後べったりと内側のビニールに張り付いていて悲惨だった思い出がある。

「……気にしないで食べ続けて欲しい」

『ふゎぁい…』

強烈なサービスを見ながら、私は栄養摂取に勤しんだのであった。
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