第18章 16.
「そ、そうか…では、現地に到着次第、連絡を待つ。……決して、死なないようにしてくれたまえ」
『大丈夫ですよ、セキンガルさん。多分、死なないと思うので』
通話を切って携帯をしまう。
さて、美味しそうな香りは名残惜しい、とってもとっても名残惜しいけれど、…お腹がまた鳴ったけれど、私は行かなくちゃならない。
「こら、きちんと食事は摂りなさい」
『う、でも…』
私の前に並ぶたこ焼きは10、いや12パックは並んでいた。味もマヨネーズや明太子、ネギなど豊富なのが分かる。
あ、チーズの匂いした、それ食べたことないやつだめちゃくちゃ美味しいやつだとみた。
博士は謎の機械に、博士側に並べられたたこ焼きを入れては加工している。そして加工品をパウチに入れて、私のポンチョの内側にごそごそと仕込んでいた。
「朝ごはんと昼ごはんを抜くようなものだろう、脳が活性化しないぞ?しかもハルカはずっと食べてなかったんだ。それでは力不足も良い所だ。しっかりと食べていきなさい」
『い、いただきます…というか、こんなにいっぱい…流石に、買うから…』
「ふふ、じゃあサービスして安くしておくよ」
口いっぱいにたこ焼きを頬張って食べていく私を見て、すすり泣く音。
視線を向けると、座ってぼろぼろと泣きじゃくるアーマードゴリラがそこに居た。
「ううっ、良かった…良かった~っ!ハルカさんも無事で、ジーナス博士と仲良くなって……良い親子じゃないですか~!本当によかった、…グス、」
泣き過ぎでは…、と視線をやりながら、2パック目のたこ焼きに差し掛かる。
しかし、あまりにもしっかりこってりがっつりと食べているけれど、電話してさっさと行くって言った手前、のんびり出来ないな、と2パック目の3個目にあたる、ネギだくの和風たれのたこ焼きを飲み込んだ。