第17章 15.
「もしも後から合流するのならは、ロボットに通信機を持たせるから、ハルカさんが持ってくれると良いんだけど…。これ、雷にも耐えられるようにした素材だからせっかくだから使って欲しいなぁ」
小さな機械を摘んで、童帝が言う。
一つだけ色が薄い。どうやらそれだけは特別製らしい。そりゃあ、電化製品に雷はアウトだよなぁ、携帯ですらも本体を協会から特別にしてもらえたものだった(だからこそ俺が受け取って、直接渡しに行ったんだが)
「大きい力使ってぶっ倒れちゃあ元も子もないぞ、ゾンビマン。ヒーローとしての人生をお前は選ばせるのか?」
「だからヒーローとして生きることを選んだんだ、あいつは。アトミック侍、ハルカの戦う姿見たら腰抜かすぜ?」
「…はっ、俺の代わりに弟子が見てらぁ」
なんでこの侍は、いつの間にハルカと仲良くなってんだ、と煙草を取り出しながら体を起こすとデータの同期が終わった童帝が本題へと入った。