第17章 15.
──ヒーロー協会本部。
ナリンキの子供、ワガンマの救助に向かった部隊の音沙汰が消え、協会のセキンガルと揉めている声がする。
ここには、声が掛けられ集められたS級ヒーローが集まった。
会議に入ろうとするもそこは揉める現場、ナリンキは金を協会に投資してでも助けてもらおうとセキンガルに掴みかかっている。
「いらん。金で動くのは金の力より弱い者だけだ。そんな奴らでは怪人との戦いにおいて糞の役にも立たん」
フラッシュがそこへ発言を突っ込んでいく。
「その通り!戦場に求められるのは悪に立ち向かう真の勇気!…と言いたいんだろ?閃光のフラッシュ君?」
「違うでしょ?精神論は二の次。とにかく強けりゃいいのよ。全部私に任せなさい」
「今回は子供の保護が優先だからこそのチーム行動なんだろ。いつも通り退治して済む話なら俺はとっくに弟子を連れて斬り込んでる」
「このメンバーで怪人アジトに殴り込み…実に単純で良いな。ちょうどそういう組織とかぶっ潰したい気持ちだったんだ…」
童帝が選出したというメンバー。
フラッシュ、クロビカリ、タツマキ、俺。そして…
「監禁された男の子と可愛い囚人達を連れ戻すために全力を尽くす!この手編みセーターに誓って…!」
「アジトの位置は特定した。後はキングさんとハルカさん、補充のメンバーか」
プリズナーと童帝、キングと、補充の戦えるヒーロー達。
「正午には突入する。少年を助けて怪人協会をやっつけてくるよ」
今集まっているS級ヒーローで会議が始まった。
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「ハルカさんにも声掛けたと思ったんだけど、ゾンビマンさん一緒に来てないの?」
器用にパソコンのキーボードを叩きながら、データを机に内蔵された機器に送る童帝。頭を使うのだろう、糖分摂取として飴を咥えたり、手に持ったりを繰り返している。
「…ああ、今は治療中だ」
「イアイから聞いたぞ?風雷暴の、腕を引きちぎられた挙げ句血反吐吐いてたってな。側に居てやんなくて良かったのか?…ほら、あいつはクローンだろ?」