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欠落の風雷暴

第15章 13.


じっと男2人で全裸の女を見る光景。まさか本人は素っ裸を見られているなんてことは知るはずもなく。

「ハルカが生きているうちに子供は作れそうか?」

たこ焼きを箸で持ち上げながら、隣で立つ博士を見る。
非常に呆れた顔をして俺を見下すように…、軽蔑の視線をしている。その目は俺には効果的だった。

「ヒーローでもある割に手順がおかしいぞ、君は。知性や品性はあるはずではないのか?まず本人の了承と父である私に言うこと、法的手続きをしてからの行動として聞いているんだろうな?」

立派に父親ぶりやがって、と思うが口には出さない。
ああ、最終的にハルカを貰うには、こいつに娘を寄越せと頼み込むのか、とイラついて舌打ちをした。
でもまあ、以前旅館でハルカから、デキた場合は責任取るって話で本人の了解を得ていたから大丈夫だろう。この前の無理やりのでやっぱり却下って事になったら俺の軽率な行為で不意にしたってわけで。

「君の精子があまり活発的ではないからね。両者から生殖細胞を採取後に受精させて子宮に戻さないと無理かもしれない。自然的な妊娠は確率的に、ハルカの老化するまでにかなり低いと見て良いだろう」
「……俺的に自然と出来たほうがいい」

ハルカの腹を切ったり、ジーナス博士に股ぐらに何かしら突っ込まれるのは躊躇った。養父であり、研究者であってもハルカの多くを俺だけが知っていれば良い。それに肉体的負担がありそうだ。

「確率を上げるために回数を多くすれば嫌われる可能性も高くなってしまうよ?ハルカが30になっても40になっても君は諦めず行為をするだろう?若いから今は君のペースにについていけるかも知れないがね…」

頷くと、博士は少し肩を上下させて乾いた笑いを漏らす。

「ああ若さ、か……!その手があったかな。それじゃあ、残ったタンクの中に"隠し味"でもいれようか。ゾンビマン、手伝ってくれないか?」
「あ?」

"ハルカの望む事をする"と、言って博士は道具を取りに行った。
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