第70章 68.
「おまえはハルカだろ、もうサンプル番号に囚われるな。それに風神そのものは取り込んでいるんだ、ペンダントは残念だと思うが…自分も大事にしろ。
無くしたこれを期に、77号じゃなくてお前はハルカとして…幸せになっても良いんじゃないか?」
『………うん、』
時折弱めの怪人を誰かしらが倒し(S級の集まりだから怪人にとっては災難だったろうに)、通路の所々を潰していく。全部潰すのはやはり、今後の地盤を考えれば良くない事だろう、と童帝の案を受け入れての事だった。
ずっと地下に居て、久しぶりに外の空気に触れる。自然の風が吹いていて、空は地平線に薄っすらとオレンジ色が見えている。
外に出て、ヘリコプターが待っていて、そこに乗り込んでいく。
タツマキはヘリに乗らず、そのまま飛び去り、サイタマとジェノスはこのままむなげやに寄って帰る、と同じく乗らず。
駆動騎士は私達が地上に居ることを確認してか、通信が入って別件で離れる、といつものフリーダムなS級の動きを見せてくる。
ヘリに乗る前に、背中からバン、と叩かれてにっこにこの金属バットが親指を立てていた。ゾンビマンもパン、と肩を叩かれたらしく、その叩いたアトミック侍が頑張れよ、と言って離れたヘリの方に乗っていく。
こうして集まった強者達は皆、バラバラに散っていった。