第67章 65.
他に居るのはシルバーファング、アトミック侍、金属バット。
ボゴ、という音で真横の壁に穴が開く。
「おっ、ここに集まってんの?」
鬼サイボーグとハゲマントも合流した。
発信機のここから離れた3つの光…タツマキや駆動騎士は少し離れた位置の点がそうだろう。それからもうひとつはここに居るメンバーから見るにアトミック侍が別れた弟子達とみた。
童帝は端末とロボットの犬を見て、犬を先頭に動き出す。薄明かりのある方向だ。合流したからもういいだろう、と発信機をしまい、いつでも戦えるようにしておく。
「探知犬、どうした?」
探知犬と呼ばれたロボットは裸電球が並ぶ通路の奥をワンと吠える。
「ここ俺達が捕まってた所だろ?」
「牢屋のある通路…そうですね、でも奥は掘りかけの土があるただの行き止まりだって…、」
探知犬は座り、壁を少し掘ってまたワンと吠える。
シルバーファングと鬼サイボーグはその壁の近くにしゃがみこんで観察をしている。
「もしかして…ここ掘れわんわんモードか?何かあるんだな…?」
「どこかで聞いたんだが、とあるうさぎは巣穴から親が移動する時に、わざわざ出入り口を埋めるそうじゃ」
「……、電気反応もある…奥から複数の生体反応、これは…!」
ハゲマントがその壁に近づき、軽いモーションで行き止まりを殴りつけたその時、通路に穴が空いた。
ボコッ、という音と奥に撒き散らされる土。
突き当りだと思っていた場所は巣だったのか今まで通った通路や空間…どこよりも広く、地下空洞でありながら、銀色の草原が広がっている光景。
全てが敵だ…、天井の明かりをその毛先が反射しているようだった。
俺達の居る通路からは空間へは段差があり、空間内の地面までの高さは人間の高さほど、か?