第58章 56.
──ヒーロー協会本部。
緊急で召集され、俺を含んでの集まったヒーロー達。シッチが仕切りながらも俺もニュースで見た映像を流した。
怪人協会の件からすぐであった為に重傷者は来ない。また、心折れた者、そして協会を去るものもだ。
「…ゾンビマン。ハルカの側にいつも居るお前が何故、傍に居てやらなかった?」
鬼サイボーグに会って早々に言われる。言い訳も出来ねぇ。
「……朝、待ち合わせ場所に俺は居たんだ。そこに来る前にハルカが拐われたようだ」
「男なら迎えに行くくらいの心を持ち合わせて居ないのか、お前は!服を選んでる時間があったら迎えに行け!」
「まあまあジェノス、そんくらいにしとけよ。ハルカも元気に暴れてただろ、そう簡単にはやられねぇって。それにひとりじゃないだろ。童帝とか黄金バットとか居るんだろ?」
俺が見た、自力で限界を超えた男が鬼サイボーグを止める。その言葉で止められた訳じゃないらしく、遅れて金属バットですと訂正をした。
薄暗い会議室に集まったのは俺や鬼サイボーグ、サイタマ、シルバーファングにタツマキ。アトミック侍とプリズナーだ。
一部は見える位置に傷があったり、絆創膏などで怪我の多さが伺える。本当に、あの件から2日しか経ってない。俺やハルカのような再生力が無いやつにはしばらくその体にあの壮絶な戦いを刻みつけている。
シッチによると、ここには居ない駆動騎士は、リモートでここの情報を受け取りながら現地に向かっているのだとか。
「敵の情勢も分からない以上、現地でやりくりしないといけない任務となる。君達には地上からアジトを攻略し、怪人を倒し、童帝・金属バット・風雷暴のハルカと合流して支援物資を渡し、安否の確認をしてもらいたい!」
誰が誰に会えるかも分からないから、荷物を持てる者達で持っていく。
また、前回使った、童帝作の発信機が再利用される事となる。マップは使えないだろうが、発信機だ、おおよその位置が把握出来る上に通信も出来る。
童帝は、本当に出来るやつだ。きっと現地でも頑張っているんだろう。