第55章 53.
「結婚するんですか!?」
『ん、そういう事にする為に、多分今日改めてプロポーズされる予定だったんじゃないかな…?』
「改めるからってなんでそんな予測になるんだよ、後日って明日…、つまり今日ってのは早すぎねーか?」
…。
『童帝君、ちょっと耳を塞いでて、聞いたら私やゾンビマンに幻滅するかもだから。
んー、聞こえないかな?…よーし、聞こえてないね?』
「なんで童帝には聞かせたくないんだよ…、何となくそっちの話ってのは理解出来るけどよ…」
ぴしっ、と両手で耳を塞いでいるのを確認した。
聞こえないふりで万が一聞いても自己責任だ。いや、それは責任放棄でちょっといけない思考だな。
でも質問したのは金属バットだし、どっちにしろ説明するなら金属バットにはしなくてはいけない。
塞いでいても聞こえないように少し声のボリュームを抑えて話をした。
『夕食までに帰ってこいっていう、門限超える時間まで、街中のホテルで致してたんだけれど…』
「……ちょっと待て、なんで朝にヤッてんのに昼間にもヤッてんだよ、その調子だと夜もするんだろ?」
金属バットも気を使って、声は抑え気味だ。流石に下ネタを10歳に聞かせたくはないらしい。
『夜はゾンビマンには帰って貰ったからしてないけど、門限を守らなかった事に腹を立てた私の養父が速攻で貞操帯を作って、一緒に帰ってきたゾンビマンに取り付けたんだよね』
「貞操…、なんでそんなモン作れんだよ……!普段何やってる親父だよ、それ」
『…で、ゾンビマンのゾンビマンが元気になれば内側から攻撃され、無理に器具を外すとトラップが発動して毒や性欲減退の薬が打ち出される…そんな貞操帯を取り外すには、順序的に正式にプロポーズしてから外すんだって事。
それで、今日デートをしようや…って誘われたんだ』
「(どこから突っ込めば良いんだよ…)ジュンジョ?何の順序だよ、それは?」