第52章 50.
痛い所を突かれた…!
確かに朝に言われたけれども、それはその場の雰囲気で、じゃなくてもっと違う時に行って欲しいからやり直せと言っていた。
少し口ごもりながらも、私は博士に言う。嘘はつけない。
『え、えっちの最中ですけど…、』
「それは流れじゃあないか?」
『…一応、そういう話はあったよ。けれど、時と場所を考えてちゃんとした時に言ってって話もした…』
博士と一緒になってゾンビマンの方を見る。
取れない器具に諦めながら、股間から手を降ろした。
「そういう事だ。けどよ、いざプロポーズなんてしてそのまま合体するのにコイツがあったら邪魔で仕方ないだろ。取れよ」
「前から言ってるだろう、順序が違うと。流石に取らないぞ、ちなみに勃起すると内側の突起が痛めつけてくる仕掛けだ」
「最低すぎるぞ、貴様は何を考えてるんだ?」
「それから君は再生力があるからね。無理に器具を取ると仕掛けが発動し、毒針のトラップが作動する。局部周辺の痛みの他、性欲減退の薬も混ぜ込んであるからな」
「……」
もう何も言えなくなったゾンビマンは剥がされた衣服を渋々と着込んでいく。
諦めたようだ。それを見て博士は茶の間へと戻っていく。
残されたのは私達だけ。
ゾンビマンのその拳が震えているように見える。
「ハルカ…、明日もデートで頼む……」
『う、うん…』
あまりにも必死過ぎる姿に返事を返すしか出来なかった。