第52章 50.
気まずそうにねぇよ、と答えたゾンビマン。
うん、そうだね、私も言い訳もないや。ふたりで黙っていると、博士は玄関のど真ん中から家の中に引っ込んだ。
「とりあえず中に入りなさい。続きは入ってからだ」
玄関に入り靴を脱いで中に入る。ゾンビマンは最後に入ったので玄関の扉を閉めて鍵も掛けた。
博士は茶の間に私を押す。室内に入っているようにと。
何だ?と振り向くと博士はゾンビマンを別室に両手で押していった。
「君はこっちだ、ゾンビマン」
「なっ、おいジーナスどういう事だ?」
何をやるつもりだろう?とふたりの男の姿を目で追う。別室のふすまは閉められてしまった。
そんなふたりを気になっている私に対し、エプロンを着けたアーマードゴリラが私の傍に来てはこそっと耳打ちをした。
「博士はですね、おふたりの帰りが遅くなって心配していたんですよ、それは本当に。そして電話を掛けたらどうやらおふたり…真っ最中だったようで。朝もされてましたが足らなかったんですか?」
『まあ、うん……』
凄く言いづらそうだ。
別室からはゾンビマンがやめろ、とか騒いでいる声と博士の暴れるな、と止める声。
ドタバタと暴れる音が気になる。
「なので、電話が終わってからは無言で急にDIYを始めたんですよ」
『う、うん…?気を紛らわすためか何か?』
一体その話にどんな繋がりがあるのか、まだ理解が出来ない。
ふすまの奥ではドスドスと暴れる音と、暴れるな!と叫ぶ博士の声。まだ何かやっているけれど、きっと心を入れ替えた博士なら、もう私達に残酷な事はしない…と思う。
「作られていたのはですね、貞操帯ですよ、貞操帯」
『ていそうたい』