第51章 49.裏
少し速歩きで家路に急ぎ、家についたのは夜の7時を過ぎた頃。
時間を気にせず盛り上がってしまったのは悪い。心配させてしまった原因が原因だけに、しょんぼりする私の横でゾンビマンはスッキリとした表情で家に付いてくる。
玄関を開けてすぐ、出てきたアーマードゴリラはオロオロとしながら、背後を見、ジーナス博士を呼ぶ。
──そして今に至る。
「おかえり、ハルカ」
『…ただいま、お父さん』
ふわっと優しく笑って、眼鏡を掛け直すと真剣な表情へと早変わりだ。
横目で見ていたアーマードゴリラが博士の表情を見て、驚いてびくんと跳ね、部屋に居ますと逃げていく。
「で、だ。遅くなるならせめて連絡をしなさい。本当に…本当に心配してるんだ、こっちとしては。君の無茶な戦いも見ているからね、再生力があっても、親としては心配になる…」
『ごめんなさい…』
玄関先で、博士は私の頭に手を置き、そっと数回撫でた。
「…うん、君は本当に素直な子だ。しかしだ。そんなハルカに無理をさせた男がそこに居るね?」
『で、でも私もして、』
「ハルカ、しー…だよ?」
静かに、というジェスチャーをし、にこやかに笑った博士は、血相を変えて隣の男を睨みつける。
「──で、ゾンビマン。言い訳はあるかい?」