第51章 49.裏
****
「──で、ゾンビマン。言い訳はあるかい?」
「……ねぇよ」
どっぷりと夜の色に染まった空。星が瞬き始める時間。
たこ焼きの家に帰ると時間は7時を過ぎていた。どうして…。
──それは少し前まで戻る。
私達が休憩をしていた建物内…、はっきりと言うならラブホテルで致していた所で着信があり、通話をする為に手にとった携帯の時間を見た瞬間、全身が縮こまった。その瞬間に私の体内に居たゾンビマンを締め付けて発射されたのは言うまでもない。
上半身と下半身が別の生き物の様に、下では本能のままに続けながら、上半身側の頭を必死にフル回転させながら通話を始める。一応、人差し指で静かにしろ、と目の前の男にジェスチャーをした。射精しながらも頷き、手で硬くしたモノを突っ込んでまた腰を振り始める。
残念ながら一時停止も、静かにしてくれる事もないようだ。
『も、もしもし…、』
「ハルカか、ジーナスだ」
電話、来るでしょうね。時間は18時を過ぎてますし?もはや諦めだった。
「何かあったのか、と心配でね。帰れそうか?」
『ちょっと道草、を…っしてまし、て!』
急に動きが速くなり、力強くなってきたので、迷惑だ、と言わんばかりに正面の男の目を睨みつけた。
緋色の双眼は悪戯小僧の如く、口元はニヤリと笑い楽しんでいる。
言葉を聞かずとも分かる。
"俺は静かにしているぜ?"
そうアピールはしている。確かに黙っているけれども繋がった場所はうるさく、また寝具の軋む音がギチギチと響く。
それだけじゃない。私は突き上げられているのだ。話す度に身体、臓器が押し上げられる。まともな会話が続けられる訳がない。
『ちょ、…帰るにっ時間が…、』
ギシッギシッとベッドを軋ませて感じる場所を集中攻撃される。これ以上言葉を発したらボロが出る。片手で口を抑えていると、ゾンビマンがハッスルする息遣いが大きくなっている。肌がパンパンと当たる音も聞こえる。
本人はわざとか、腰を振るのに必死で分からなかったのか。その息遣いは携帯を通じてここから離れた自宅に届いた様だ。
「…ああ、何となーく分かったよ、うん。帰りは気を付けて帰りなさい。それと、今ハルカの側に居る男は一緒に帰って来なさい、逃さないように、必ず」