第48章 46.
「俺に関してはお前に"痺れ慣れてる"から気にすんな。死ぬ事にも慣れてる、そこらの奴と組むより組みやすいだろ?」
『ん、まあ…そうかぁ』
再会して早々に殺してるんだった。
確実に3回は殺しているし、手加減なく攻撃してる時もある。初期の頃ほど強めで殺ってた。
槍を中継地点にして雷撃った時より前って、攻撃したのっていつだっけ?無理矢理に迫られた時だったっけ。もしかしたら、私があのブサイクな男を殺し続けた時も食らってたかも知れない。
私も、ゾンビマン側の不死寄りであるから、死ぬような痛みは分かるようになった。
臓器を破壊された時に再生力の無い状態であればそこで終わっていた。
…あまり、私の力でゾンビマンを殺したくはないな。
『ご飯、終わったら鍛錬ついでに怪人狩りに行こうよ』
運ばれてきたチキンステーキにナイフを入れながら私はゾンビマンの目を見て言った。
食後のコーヒーに取り掛かっていたゾンビマンは砂糖の入った瓶の蓋に手を伸ばしている。
「おう、こっちはしっかりと武器は用意してある。武器を持たない、お嬢様のボディガードなんでね、いつでも行けるぜ」
『お嬢様って感じじゃないでしょ、それくらい自覚あるんだけど』
「あ?充分にお前は可愛いぜ?お嬢様?」
『……』
トングでポチャン、と角砂糖がブレンドコーヒーの中に落ちて消えていく。
主食の量が多い為にデザートは控えめな量のキャラメルサンデーを頼んでいて、そのデザートはまだチキンステーキの途中でやってきた。
ゾンビマンはコーヒーの中の砂糖をかき回したスプーンでそのサンデーのアイスを掬って食べている。
…自分で頼んで食べれば良いのに。こう私が食べている量と比べると少食に見えるなぁ。
「お前はしっかりと食っておけよ?」
フッ、と笑って頬杖をついて、私が食べ終わるのを眺めている。
…こういう所、だよなぁ。残ったチキンステーキを食べながら、熱い料理や、もしかしたら私の顔の熱さでやられたかもしれない、溶け始めたサンデーを見つめた。