第47章 45.
落ち着きのある店内、白いテーブルクロス。それぞれのテーブルに生花が飾られていて、ファミレスとは違う品の良さが出ている。私が食事に入った店で過去一番良い所なんだろう。
「決まったか?」
メニューをぱらぱらとめくり、ゾンビマンはさっさと決めてしまう。
私はまだ決められず、いくつか食べたいものを絞ってその最終候補を選ぼうとしていた。どれも価格は高め…、けどヒーローとなって稼ぐことは出来ている。それでも少し遠慮した商品をチョイスしている。
『まだ、うーん…』
「食いたいもの全部頼んでけよ、結局追加注文するだろ…」
席に設置されたボタンを押して、店員を呼ばれる。
確かに追加注文するけど、主食部門とデザート部門があって……ああ、もう!何で呼んじゃってるの?
『これと、これと…あとこれとこれ、で…デザートは食後で…、』
「めちゃくちゃ食うじゃねーか」
『……うるさいっ』
注文が終わり、ゆっくりと待つ。
待つ間の二人きりの時間。ベッドでは見つめ合って平気でも、こういう時はなんだかゾンビマンの方が余裕そうに笑っている。黙って目を見るのはまだ私は負けてしまうなぁ。
仕方なく、なにか話題を探そう。
『その、協会に頼んだっていう服とか武器って、明日にでも出来上がるもの?』
「デート中にそれかよ。戦闘狂か、おまえは……。
まぁ、一日じゃ無理があるだろうな。俺ならまだしも、お前の場合はご新規だ。脇差なら型が分かってもな…」
まあ、刀は昇級祝のプレゼントだったもんなぁ…。凄く大切にしていた分、もったいない壊し方をしてしまった。あんなクズの為に私は、大事な武器まで失ってしまったのだ。
はぁ、と落胆のため息が漏れた。
『脇差、気に入ってたのに……』
「物はいつかは壊れる。そういうもんだ」
私の顔を覗き込まれる。その目をちゃんと見ると姿勢を少し正してゾンビマンは腕を組んで話し出す。