• テキストサイズ

欠落の風雷暴

第46章 44.


「そんなに真っ赤になってるんじゃねぇ、ったく…こっちが恥ずかしくなるわ」
『何を。手なんて、ちょっと繋いだくらいにして、デートなんてロクにしないで食べるかセックスばっかだったじゃない』
「お前が言うか、お前が。ほら、行くぜ」

ちょっとだけ言い合って、街に入っていく。
名も知れたS級同士が堂々と手を繋ぎ、私の方が赤面をしているなんて良い標的だろう。ヒソヒソと話す声や、写真に収められる音も聞こえる。
少し上の顔を見ればいつもの表情で、キョロキョロと良い店がないかと見て回っている。
…本当、余裕があるのが羨ましい。

「ハルカ、服屋がある。それは寝間着みたいなモンとして選んだからな、可愛い服に着替えてデートしようぜ?」
『……うん』

まあ、こういうのもたまには良いよね?と店舗に揃って入っていった。

****

「これなんか似合いそうだ、どうだ?」

『駄目、丈が短すぎ。喜ぶのはあんただけでしょ』
「チッ」

様々な服を選んで私の体に当てる。
こんな事、フブキとタツマキとの買い物以来だった。
とりあえずは今着替えていく服と、普段着を選ぶ。スカートか…雷神の力ならともかく、風神の力を使う時は痴女になりそうだ。と、見ていたらズボンのように履くようなものがある。きゅろっと…スカート?こういうのもあるのか、と手にとった。

「ハルカ、これ…」
『却下』

持ってこられたモノは下着でありながら、どこを隠すんだと言わんばかりの布面積&スケ具合。普段という言葉が抜けているらしい男は夜の営み用ではないか、という下着を持ってくる。そして私に当ててくる。なんで大事な所に当たる場所に大粒のビーズがあるんだ…下着の意味なんてないだろう、と却下したての私に真っ赤な尻に確実に食い込むパンツを持ってくる。
店員さんもちらちらと様子を見に来るので流石に困る。私達が付き合っている事を雑誌に載せられたらしいので世間的にはバレている。それがスケベ下着を買ってたら、今夜はお楽しみ確定なんだろう。

『買い物終わるまで外に居て』
「いや、ちょっと待て。こいつは、」
『そ・と・に・居・ろ』

仕方無さそうにこの場を去っていく。
ある程度買うものを決めたので、レジを通した後に試着室で着替えさせて貰おう。
カゴいっぱいの衣服を持って、私はお会計をしに向かった。
/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp