第44章 42.
朝から猛烈に激しいセックスをして体力を消耗し、フラフラとしながら茶の間に行くと、真顔でお茶を飲むジーナス博士とご飯を盛って机に並べるアーマードゴリラが居た。
ゾンビマンが着席し、その隣に着席する。気まずいなぁ、と顔を伏せた。
「ゾンビマン」
「…あ?」
何か言われるんだろう、と呆れたような返事を隣ではしている。
「性交をするのは別に構わないが、ここでは壁が薄いからと言っただろう、色々と聞こえるしどれだけ長時間盛り上げているんだ?執拗な事は嫌われると言ったはずだぞゾンビマン。ハルカもそう…、君はまずしっかりと食事を摂りなさい。生理的欲求とは睡眠や性欲だけじゃなく、食欲がある。怪我もしていて点滴で栄養は与えられても、一番は経口摂取だからね?いいかい?」
「チッ」
『はい、分かりました…、こらっ66号!』
反抗的なやつめ。今の見た目よりも年は上なだけに大人気ないと思う。肘で小突けば仕方無さそうに分かった分かったと返事をした。
アーマードゴリラは気まずそうだ。博士とは違い、ふすまを隔てて間近で行為の音や控えてはいたけど喘ぎ声を最短距離で聞いているからだ。しかも、最後の騎乗位の時にラストスパートが掛かっていて、ふすまを隔てて同時に果てていた。ものすごく気持ちよかったけれども私も気まずいわ。
時刻は7時半を過ぎ、ずっとまぐわい続けたおかげで私の下半身や腹部は満足して種を受け取っている。それが芽吹くかは分からないけれど、ゾンビマンもいつもよりもなんだか調子が良さそうだ。
皆揃っていただきます、と朝食を摂り始めた。
「そういえばハルカ、住む家どうするんだ?」
そう言いながらゾンビマンは味噌汁を飲む。
プロポーズは後日改めろって言ったのにもう、そういう話か?と同じく私も味噌汁に手を着ける。わかめが乾燥ではなく、生のタイプの良いやつだった。とろりとしてこのとろみがまた美味しい。合わせ味噌がたまらない。ネギの香りもまた良し。
返事をしない私に、見かねたゴリラが、白米を箸でつまんだ状態で補足する。
「あの、ハルカさんZ市に住んでたんですよね?しかも危険区域に。それって昨日の怪人との戦いで壊されてしまったんじゃあ…」
『ゴホォッ、』
誤飲か?と博士がお茶の入った湯呑みを差し出す。手で制止して、小さく咳き込んだ。美味しかった味噌がきつい、痛い。