第41章 39.
「俺も、ハルカの意見を聞かずに、無理矢理迫って悲しませる事をしちまった。再会した時には武器なんて一つも残らず、お前の一番の敵から守る事も出来なかった。
それどころか恥ずかしい格好にさせちまって、別のモンに守って貰っちまった。恋人として本当に不甲斐ねぇ…」
一度大きく息を吸って、吐き出す。その呼吸で胸が膨らむ。あんなに激しい戦いでありながら、1日経てばこんなに平和だ。
「それでもだ。俺はお前を愛している」
ぐるりと反転し、私はゾンビマンの眠っていた布団の上で仰向けにされた。
私を跨ぐようにして、覆いかぶさる。さっきよりもより明るい朝日が部屋に差し込んで、赤い双眼が私をじっと見つめている。
「お前が汚されちまったっていっても、俺は何度でも何度でもお前を抱きたい。その度に嫌な記憶も忘れてくれたらと思ってる。10年という、ハルカの空白を俺は埋めてやりたい、今度こそハルカを守りたい。
俺にはお前しか愛せねぇんだよ、ハルカ」
『私も、66号の事を愛してる…』
優しく、啄むように上からゾンビマンにキスをされた。
ああ、これだ。ぽっかりと空いた胸に注がれていく優しさ。久しぶりの愛情ある行為にずっと我慢してきたものが解き放たれるように。その頭を両手で包んで、私からかぶり付くように口づける。
それが合図であるかのように、互いに互いの唇を貪り合っていった。