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欠落の風雷暴

第39章 37.


「なんだテメェッ!離れろっ!
そいつらもう動けねぇ状態だ!見て分からねェか!」

アトミック侍が騒ぐ。アマイマスクはやられたのか、と確認するがピンピンしている。
どうやら、倒れたイアイアン達にガロウは襲いかかっていたようだ。
今はハルカにたどり着けないようにしなくてはいけない。
一度、血に塗れたハルカの頭を撫でた。血が固まり、ギシギシとした撫で心地だった。

「お前の左頭も禿げて変異してるじゃねぇか。磨けばいいボールになりそうだ」

鬼サイボーグがガロウの標的となったようだ。
ボロボロのサイボーグを蹴飛ばし、吹っ飛んでいく。

「待て、やめろ!おい、」
「指図するんじゃねーよ、"ゾンビマン"最初に死にてぇか?」

アマイマスクや豚神達の居る位置に行く。装備の無い俺には出来ることは限られてるが、これくらいしか出来ない。
そんな中、童帝は人質の子供を避難させていく。いいぞ、今のうちに関係のない子供は安全な場所に移動させておいてくれ。

ガロウと怪人協会に乗り込んだ、戦えるメンバーは揃っている。せめて重症を負った者に手が伸びない事を願いながらも、戦いは始まっていく。
怪我を修復しながら思い出すのは、髪を撫でた時の聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で、"置いてかないで"、と言ったハルカの声だった。
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