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欠落の風雷暴

第38章 36.


「いつまでこうしているつもりだ」

抑えつけた頭を僅かに動かし、顔を少し上に向ける。それでもうつ伏せなのは変わらない。

「黒い精子より私の方が上位格の存在だぞ。次こそは灰すら残さずに、」
「少し黙ってろ。
今すぐ殺して欲しいのか?お前からは色々と聞きたい事があるんだよ。あっちの事が済んだら、囲んで絞ってやるから覚悟しとけよ」

やや諦めたような声色だ。聞き返す声はすでに戦闘で疲れている。

「お前の話にあったように裏で糸を引いてる奴がいるなら、対策しておく必要があるからな」

タツマキの方を見ながら、その戦闘の終わりを見守る。

「…神の事か……、
…っ、かっ!」

ガタガタと震える、様子がおかしい。
うつ伏せから仰向けにして覗き込んだ。何かに怯える表情で大量の発汗。

「おい、急にどうした?笑えねぇツラになってるぜ?」

「カミ……、」

途端に煙を出す体に俺は飛び退いた。
さっきまで生かしておいた怪人はまるで虫眼鏡で焼かれる虫のようにジュウ、と音を立てて燃えていく。

「おい…?カミ、神か?おい、おい!」

何者かの干渉を受けてこいつは殺された。
その神ってやつがこいつに力を与えたのか…?その場に居たはずの者に話しても骨があるだけで返事は帰ってこなかった。
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