第37章 35.
周囲の瓦礫がポップコーンのように瓦礫の上で跳ねている。地響き、いや大量の放電で異常現象を起こしているようだ。
周囲に血が飛び散る。筋肉や血管や引きちぎれるブチブチという音。
脇差を持ち、今や自身が私に宣言した、手足を引きちぎられた状態となっていた。
「おいサイコス!そんなB級ヒーローになんか相手せずに、ブサイク大統領に手を貸してやれよ!あっちの方がやべぇぞ!」
怪人の大声が響く。
ちらりと別方向を見るとキングやフブキが居た。フブキ、無事だったんだ。キングもやり過ごしていたらしい…。
そこから視線をゆっくりと本来の獲物の、生きた肉だるまに向けた。
ゆら、ゆら。私の体が揺れる。
「がっ、…このガキ、やっぱりあの時殺しておけば…っゴフ、」
ゆら、ゆら。
肩が震えている。呼吸も荒い。狩らなきゃ、殺らなきゃ、今ここでやらなきゃ。
いや、私は。
『……っく、は…はは、はははっ』
昂ぶるままに、脇差を肉だるまに何度も何度も、電気を纏わせながら突き刺した。
息があろうとなかろうと関係ない。ただただ、目の前に居る肉塊が原型を留めていようがなかろうと。私の気が済むまで殺す。