第4章 憲紀君
するりと慣れた手付きで和服を脱いでいく彼に、息を整えながらも見惚れてしまう。
真っ白な肌と引き締まった身体があらわになれば、恥ずかしさで顔を背けた。
カッコ良すぎる…!
片腕で口元を隠せば、衣服を脱ぎ終わった彼の手が私のワンピースを掴みあっという間に脱がしてしまう。
『は、ぅ…』
ぎゅっと抱きしめられてお互いの肌が触れ合う、この初めての感覚に何故か幸せを感じてしまう。
暖かい…
「琴音は指の先まで綺麗なのだな…」
『え?…きゃっ、んっ!』
「その声、我慢するなよ」
彼の口から甘い言葉が出ると同時に、首筋、鎖骨、胸元へと彼の唇が這わされて、ぎゅっと目をつぶる。
いつもと違う低い声が聴覚を、身体を触れる彼の手や唇が触覚を刺激して、下腹部が切なくなっていく。
それでも、彼の手つきからは優しさが滲み出ていて…
『んっ…もっ、と…』
「!…このまま、溺れてくれ」
そうはしたない言葉を口に出してしまっていたんだ。