第4章 憲紀君
くるりと私に馬乗りになる憲紀が、額同士を合わせてそう聞いてくる。
そんなこと…
『もう、治ってるんでしょう?
…聞かないで』
「あぁ、治っている。
嫌なら術式でも何でも使って抵抗しろ」
『そ、そんなことしないよっ…!』
そう慌てて言う私にフッと笑った彼は、私の片手に指を絡ませシーツに縫いとめる。
まさか今日、こんなことになるなんて…
彼に心惹かれ始めたのは、昨日の朝。
元々、特殊な関係であったとはいえ、整理の追いつかない頭に反して、ゆっくりと呼吸が出来ている自身に驚く。
やっぱり、安心する。
『して…?』
「…っ!何を言ってるか、分かっているんだろうな」
『ふふっ……ん、ぁ…』
繋いでいる手をさらにぎゅっと握られて、もう一方の手で首筋から身体のラインをゆっくり撫でられる。
自分のものとは思えない甘い声が漏れ出て、ぴくりと身体が揺れてしまう。
その後も外腿まで撫でられ、ゆるく着ていたワンピースの裾の中に彼の手が入り込む。
『んっ、待っ…』
「嫌ならどうするか教えただろう?」
止まる様子のない、彼のゆっくりと動く手に意識が集中していれば、首に彼の顔が埋まっていて唇が寄せられていて、