第4章 憲紀君
そしてやってきた交流会当日。
「でも、ちょっと気になるかも。琴音さんのフィアンセ」
『そ、その言い方…!
あはは…多分、着物っぽい制服の人だよ』
「へぇ、そんなカスタムも出来るんですね。ここの制服って」
そう野薔薇と話しながら、京都校の彼らが来るのを待っていれば、
「おい、来たぞ」
その真希の一言で階段の方を見れば、久しぶりに見る東堂君と西宮ちゃん、初対面の2年生達。そして、
『の、憲紀君!久しぶりだね』
「!…あぁ。変わりないか?」
『うん!』
「そうか。今日の団体戦、終わったら2人で会えるか」
『…へ?』
スムーズに会話が出来ている事に心の中で喜んでいれば、思わぬ言葉が彼の口から飛び出す。
今まで、親同士がセッティングした顔合わせの時と、任務の時以外で2人で会うことなんて無かった。
もちろん去年の交流会も、2人だけになる時間なんて無かった。
驚きと不安と、少しの嬉しさが入り混じる変な気分。
そして、周りからの視線が私達に注がれていることに気が付き、顔が熱くなる。
『う、うん!後で、ね!』
それだけ言って、彼の顔は見ずにそそくさと東京校のみんながいる方へ戻ったんだ。