第3章 五条君
おそるおそる着いた室内を見回そうとすれば、フワッと身体が、いや、内臓が浮く感覚に襲われる。
…な、投げ捨てられた!?
そう思った瞬間にはふわふわの布団に包まれていて、ホッとする。
ベッドの上じゃなかったら、私、部屋の中で呪力使ってたよ?
そう悟に対して改めて恐怖を感じながらも、目を開けば、
ミシッ…
『ひぁっ、さと、る…!』
「んー?近くで見ると、本当可愛いよな、お前」
『な、何言って…』
ベッドが軋む音がしたと思えば、彼は私に馬乗りになってさらに距離をつめようとしていたのだ。
今、褒められたような気もするけれど、そんな事はどうでも良くて、制服のミニスカートに彼の膝が少し入る。
『や、だ…!』
「へぇ?俺に抵抗出来ると思ってるの?」
ピタッと止まった彼に首をふるふると横に振る。
もうやめてという意味と、抵抗出来るなんて微塵も思っていないという意味を込めて。
すると、カチャリと音を立てて、目の前の彼が高そうなサングラスを外す。
「ぜってぇ、逃がさねぇ」