第3章 五条君
次の瞬間には、登っていた木の頂よりも高い場所に浮かんでいて、思わず五条君の学ランをぎゅっと掴む。
本当は五条君に貸しは作りたくないけれど、
…今、頼らなかったら死ぬ!!
私も呪力使ったら多少は跳べるけれど、こんなには跳べない。
「必死に捕まっちゃって、かーわい」
『〜〜〜!!』
「聞こえてないな、こりゃ」
地上に飛び降りたと思えば、そこには硝子ちゃんと夏油君が京都校の人と交戦中で…
『えっと、五条、君…?』
「おい硝子!変われ。琴音を頼む」
「うっわ!
あー…はいはい」
突然現れた私たちにか、私が五条君にお姫様抱っこされていたからか、
とにかくびっくりした硝子ちゃんに傷を治される。
『うぅ…ありがとう』
「あいつに貸し作るとか、とんだ災難だったね」
『だって…怪我した瞬間、気付いたら助けられて』
「こっわ、琴音のことストーキングしてたんじゃないの」
『ま、まさか…あははは』
確かに夏油君が動くだけで交流会に勝てるかもしれないけど…
五条君がそんな事しても何の特にもならないし。