第2章 狗巻先輩
『んっ…』
ゆっくり瞼を開けばすっかり陽の光が入り込んだ天井が目に入り、身体を起こせば、隣にいる狗巻先輩と手を繋いでいることに気付いて目を見開く。
私、先輩の彼女になれたんだ…
狗巻先輩になら何をされても嫌いにならない自信があったけれど、先輩は本当に優しくしてくれて、さらに好きという気持ちが大きくなる。
気持ち良さそうに寝ている先輩を覗き込んで、そっと唇に自分のそれを重ねれば、
「ん…こん、ぶ?」
『ふふっ、おはようございます』
「…!た、たたたたかな!明太子!?」
そう飛び起きた先輩に両腕を掴まれて覗き込まれる。
身体を心配してくれてるのかな…?
『全然、平気ですよ?
…それより、先輩!付き合ってくれるって話、忘れてませんからね!』
「しゃけ!」
もちろん!とでも言うように微笑まれて、顔に熱が集まっていく。
可愛い、すぎる…!
くしゃっとなる先輩の笑顔は本当に凄まじいパワーで、昨日の獣のような先輩とは全然違う、そのギャップにやられてしまう。
恥ずかしさに耐えかねて両手で顔を覆って下を向けば、片手首を優しく掴まれて指を絡められて、