第2章 狗巻先輩
一昨日のように身体がおかしくなっているわけじゃないのに、狗巻先輩の熱い視線に期待してしまう。
少しはだけた先輩の浴衣に手を伸ばせば、
「ふっ…しゃけ」
そう優しく笑われてしまい手を引っ込めれば、逆に先輩の手が私の浴衣に手をかかる。
『待っ…』
「おかか」
『んんっ、ぁん…!』
身体を隠そうとした手は先輩によってどけられて、私の耳に先輩の息がかかればゆっくりと浴衣をはだけさせられる。
やだ、電気ついたまま…!
以前とは違う下着姿の私が先輩の瞳に映り、恥ずかしさで目をぎゅっとつぶる。
大きくなる心臓の音がさらに羞恥心を掻き立てていく。
ほんの少し目を開けば、楽しそうに目を細めた先輩が、私の身体のラインを撫であげて、
『ひぁっ…!』
「【声、我慢するな】」
どくんっ…
身体に自分のでは無い呪力が流れるのが分かる。
一昨日よりも余裕があると思っていたはずなのに、先輩へのどきどき度は高まっていたようで、先輩の身体に呪力がこもったことに気付けなかった。
声、我慢するなって…
不安から先輩の方を向いて首を左右にふるふる振れば、完全に無視されてしまい…