第2章 狗巻先輩
狗巻side
「んっ、ぁ…」
深く長いキスの間に漏れる彼女の甘い声が、さらに自分の理性を崩していく。
一昨日、五条先生に呼ばれて部屋に入った時には、神楽…いや、琴音はすでに下着姿で意識も朦朧としていた。
だからきっと何かあったのだろうとは思っていたけれど、いざ彼女の口から直接聞くと、胸のモヤモヤが熱くなり、気付けば彼女に覆い被さっていた。
というか、そもそも、いつの間にか部屋に帰ってきていた浴衣姿の彼女を見た時から、一晩理性を保てる気がしていなかった。
そんな言い訳を頭の中に並べながらも、彼女の唇から自分のそれを離すと思わず微笑んだ。
吐き出す息は荒く、少しはだけた浴衣姿が妙に色っぽい。
『ツナマヨ』
「せんぱ…っ、好き…!」
『!!』
煽っているのかこの子は。
五条先生の事を忘れさせたい。
自分の事で頭をいっぱいにして欲しい。
そう思っていたのに、ただただ抱きたい、という思いでいっぱいになる。
「んっ、先輩?」
『高菜…!』
狗巻side.end