第2章 狗巻先輩
『え、えぇ!?なんで先輩が謝るんですか!?むしろ謝らなきゃいけないのは私で…!
本当に本当に…み、見苦しいものをすみません』
私が慌ててそう言えば、狗巻先輩は首をぶんぶんと横に振ってスマホで再び文字を打ち始める。
[そんなわけ…!むしろ可愛かったし!]
『へ?』
「うっ…あ……ツ、ツナ!」
目に焼き付いてしまう"可愛いかった"の文字。
嬉しいはずなのに恥ずかしさには勝てなくて、思わず両手で口元を覆ってしまう。
そんな私を見た先輩は、やってしまった!という顔をした後、慌てて文字を打ち直し、
[ごめん!!!伝えたかったのは、そうじゃなくて!
俺なんかで…嫌じゃなかった??]
そう私にスマホの画面を見せて、赤くなった顔を隠すように下を向く先輩。
狗巻先輩が嫌…??
どうして先輩が照れて…
画面上に並ぶ言葉の意味を理解するのに時間がかかるも、理解した途端に驚きで目を見開いた。
『そ、そんなわけないです!む、むしろ!狗巻先輩じゃないと嫌で…
!!あ……わ、わ私、何言って……!!』
落ち着け、私。
いや、無理か…
今、とてつもなくまずい事を言ってしまった気がする…
捉え方によっては告白も同然のことを言ったよね!?
いや、私は狗巻先輩が好きだからこの捉え方が合ってるんだけどね!?
色々な事に頭の回転が追いつかず、パンク寸前になってしまいながらも、恐る恐る先輩の方を見ると、